2018年8月31日金曜日

騒音


部屋に

音までも

切なく響く...

大きな車

大きな音

させては

縦横無尽に

行き来する...

ちいさな

膝小僧抱え

ある日の少年

途方にくれる...

意味さえ持たず

ただ

そこで

いのち

刻む音に

包まれる...





反射光


涙は
かなしい色

映す...

切なく
ほろり

滴るような

あなたの涙は

真珠の煌めき...

おちた雫は

海へと還る...

やわらかい
海のさざめき...

蒼くひかる
水面に浮かぶ

金色の翼...








wind week


日曜日の夜

吹く風は

癒やしの力
存分に含む...

月曜日の朝

見上げる空は

真新しい風
そっといでる...

火曜日に

道草したいと
遊んだ風は

少しばかり
悪戯なる

やや強風...

水曜日

午後の
吹き渡る風の匂いは


装いはじめてる...

木曜日

もくもくと過ごし

金曜日には

透明な姿した
妖精が空ゆく...

土曜日の朝は

少し
遅くに起きよう...

風便り

ふうふう
ふわり

きみにも届いたかい...






2018年8月30日木曜日

誕生日は別の顔...・前編


上尾孝

明日の零時に
20歳の誕生日

孝は
誰がどうみても
バリバリの優等生タイプ

言うなれば
文武両道

お勉強だけあらず
どっこいスポーツにも
長けている

そうなると
読者の皆様は
ルックスに期待されることだろう

ルックス?

八頭身のキリリとした目元
鼻筋が通り
口元は優しさを醸し出す...

んな馬鹿な?

そんな
絵に描いたような
人間離れした男が居るのか?

そう思ったあなたは
正しくもあり間違ってもいる...

上尾孝は
ずっと長いこと
眠っていた

19歳のあるときから
眠りこけ
起きることはなかった...

此処は
そう
孝の夢の中...

夢見続ける孝は
あと七日で
誕生日を迎える

晴ればれしい筈の
成人の日...

廻りで見守る人々は
複雑な面持ちである

誰もに愛されてた筈の孝が
何故に
こんな状態に陥って居るのか

誰も
知る由がなかった...

孝は
夢を見る

長い
長い間

眠る
夢を見る...

未来を孝は
キリリとした瞳で
見据えていた

眠って居るのに?
見えるのか?

疑問に思うことだろう

世の中には
閉ざしたほうが
わかるときもあるのだ

七不思議
八起き

その証として
孝には
すべてが見えていた

この先の未来
これからの人類

まるで
なにか約束をした

それを
守るかのように
夢を見始めた

その夢のなかで
すべてを知るのだ...

孝が
選ばれた人間だというのは
作者の贔屓目だけに止まらず
神様の出した課題
クリアしてゆく孝の
これからの春に...

眠りはじめて一年

外には
小さな
白い妖精が舞う

一面
白く染まった
汚れなき世界...

銀世界が
未来を照らす?

孝の
これからを
暗示しているかのように...


エピローグ

カウントダウン開始
誕生日迄あと五日

孝が
まるでいまにも
起きてきそうな感じがして
孝の家族を始めとして
孝にはじめてできたガールフレンドも
期待寄せている...

その度に
悲しい裏切りに
胸をうちひしがれて
途方もない現実に
打ちのめされる...

五日
誕生日まで
あと100時間余り...

孝が
深く眠りについてから
毎日毎夜
思うことがあった

明日の朝には
普通に目覚めて
前みたいに
明るい屈託のない笑顔
輝かせて
挨拶交わせるのでは?

母親は
ほんとにそうなるならば
わたしの命はあげてもいい
それくらい願って止まない...

なのに?

脆くも崩れ去る
儚い夢...

次の日になっても
また一晩過ぎても
朝の挨拶は
聴こえてこなかった...

夢が壊れる...

皮肉なことに
孝の周りのひとの夢が
壊れてゆく...

正にそんなとき
当の孝は
夢の中...

夢を叶えて
夢現...

眠りながらにして
色々な世界
見ていた

世界に限らず

懐かしき友を
懐かしき恩師を

胸焦がした
初恋のひとを...

次から次へ
懐かしの
顔、顔、顔...

でも
話したくて
口を開けてみても
声は空を切っていた...

声は出ない
なぜか...

眠りのなか
今日も
一日終わる...

そして
明日の朝には
幾ばくかの期待胸に抱き
願いをかける
周りのひとたち...

そんな日が続く

誕生日に
一体何が
待ち受けて居るのか

どうしてその日が
誕生日なのか

実は
孝を襲うのは
過酷な現実

とはいえ
孝は
夢を見る
なにも知らずに...

いい夢見なよ
今は...

そんな風に
風が吹いていった...











サヤカゼ


ときめき運ぶ
夜のサヤカゼ

秋の入り口
通る前に

透き通ってゆく
キミの心...

苦しみ
悩み
何かにおびえ

それでもキミは
真実を失うことがない...

悲しい時には
ブルーを纏う

嬉しい時には
YELLOW YELLOW

キミは知っているね

世界に溢れた
素敵の可能性

青い空に
白く棚引く雲

自然と触れる
それだけで

心が
喜びうたうよ...

しあわせになるため
生まれてくるんだ

きっと
きっと...

気づいた時に
はじまる

新たなる道...

命あるキミ
命あるボク

歩き続ける...

サヤカゼ
受けて

サヤカゼを...






光宿るところ

思い通りに ならないことに ありがとうを言おう 思い通りに なることなど この世に 数えるほどしかない... 思い通りに ならないことに ありがとうを言おう 感じる 育てる やり遂げる 無限に 永遠に... 思い通りに なら...