なにもない

悴んだ手

握りしめる

キミが

覗き込んでる...

おどけたふりで

手
開いてみる

なにも
出てくることはない...

キミ
悲しませるもの

は出てこない

かといえ

キミ
喜ばせるもの

も
出てはこない...

恋した夜

に

キミのすべて

抱きしめる...

なにも

特別なものなど

ないボク

だけど...

雨が流すもの

雨が
降る

雨が

ひたひた...

雨が
降る

雨が

しとしと...

雨が
降る

雨が

ポタポタ...

壊れそうに
もがいているのは

誰？

雨が
降る

雨が

サーサー...

雨
ひと思いに

この星
洗い流してゆく...

残ったのは

美しき

あお...

雨が
降る

雨が
降る

今日も...

かなしみさえも

流しておくれ...

夏の夢

夢のなか

あなたは

川のせせらぎ...

夢のなか

あなたは

私のこころに
虹かける...

夢のなか

あなたは

やわらかな木漏れ日...

暑さ
しきりの日々の中

あなたに逢える

今となれば

夢...

夢のなか

あなたは

とわに優しい

優しい...

雪想歌

今宵も
あなたを

あなただけ...

寒さに
凍えていないか

出来るならば

二人
互いに温もりを...

いのちが
燃える

愛が
揺れる

焔が
くゆる

誰もが
愛の途中...

白き
雪のあとの

静かな街は

厳しい
寒さ

浮き彫りにする...

モーターの音が

やけに騒がしく

感じ

目を伏せる...

愛が
揺れる

心が
触れる

あなたへの

深き

想い...

白に倣え

生まれ変わるように

今
産み落とされた

孤独

という試練

課して

まっさらな

街並みに倣い

ボクは

いま

白を手にする...

白であること

は
全ての可能性

持つこと

やわらぎを

安らぎを

拵えてゆけばいい...

白から

始める...