巣立ち

おぼつかなすぎる
足取り

しゃにむに
動かして

なんとも健気...

小さな羽

バタバタ

親鳥
にも負けない

羽ばたき

夢見て

大きく

大きく

羽広げる...

痩せっぽち
のままに

みみず
土から顔だし

そんな様子

みまもっている...

木々
に実った南天は

鳥の啄ばみ
待ちきれず

紅く

紅く

誘う...

おそらく

初めて

それ口にする
幼い鳥

ひとつ

ないた...

遠い忘れもの

いつかの痛み

を

悲しみと重ね

いつか味わった

苦渋の

苦味

渋味

思い出す...

泣きたくなったあの日

失ってしまったもの

は

さよなら

よりも

もっと遠い...

スパーク

一瞬の交わり

で

閃光

駆け巡る...

時の悪戯

それは

稲妻のよう...

ただ

胸のなか

鮮烈な印象のこし

情熱
呼び覚ますには

充分...

そんな

時の切れ端...

子猫

拾い上げた

すくい上げた

ふわり...

そう
思っていたけど

救われたのは

ほんとは

ボクの方だった...

なに一つ
確かなものなど

ないけれど

あの日

拾い上げたのは

ふるふる

ふる

ふるるるる...

そして

それからずぅっと

優しい心地

に救われる日々...

全てを
抱きしめて

全てに
拒絶されても

大丈夫

大丈夫だ

花想い

喜びに

咲き乱れる花

かなしみに

散り急ぐ花

素直に
なれたなら...

あまりに
不器用で

苦しくて
切なくて

もがいて...

それでも

あなたと

見つけてゆく...

咲き乱れる

花の芽吹き

のように

あなた

見てた...

花に
重ねる

美しき

想いのひと...

喜び

に咲く花

かなしみ

に咲く花...

涙の雫

で開いたのは？

近づく

ほどに

切なさ連れて...