美しくも切ない世界で

優しいうた

うたうひと

やわらかなその声

で

美しくも切ない

この世界を...

胸に響くその声

は

悲しみさえ

も癒してく...

木々はせせらぎ

鳥は遊び

駐車場では

猫

が警戒することもなく

車のボンネットのうえ

お昼寝...

やわらかな歌声

は

楽園慈しむ...

大きな音

で通り過ぎてゆく

飛行機

のこしらえたまっすぐな雲

が五線譜のよう

その上

に音譜のる...

さぁ

うたって

美しくも切ない

この世界で...

静かな夜に

大事にしたい

と

強く握りしめた...

粉々に
砕け

指の間

サラサララ...

ならば

掌にのせて...

とするも

一瞬の風

に

ヒラリ...

昨日
よりも今日
を生きて

暗くなる空

に

帰っておいで

帰っておいで...

じき
おとずれる

平穏

抱きしめて...

循環〜〜

それでも
いのちは

きっと
どこかで

ほころんで

きっと
優しく

微笑んで

負けるな
て

負けない
て

その存在

力強く

主張する...

いのち
の逞しさ

いのち
のやわらかさ

をボクは

そっと

抱きしめる...

繰り返される

いのちの奇跡

の向こう側で...

それでも愛へ

パキパキ

と

空に

謎めいた何か

現れた...

あれ

あれはなんだ？

それは
紺碧の

夕刻過ぎの空

ふうわり

と浮かぶ

白抜きの物体...

謎
見つけると

目
輝かせ

真相探り始める...

やわらかく
愛を纏う

優しさ
というヴェールかぶる

切ない吐息

夜空に溶かして...

この世の哀

そのからだ
に感じて

壊れそう
に凭れかかる

懺悔の念

と対峙する...

やわらかく
纏う愛

も

突き詰めていけば

哀と出会う...

生きてゆくこと

を

力強く

静かに

歩む...

風はミント...

爽やかな

ミントグリーンの香り

してきそう...

そんな風に

はしゃぐキミ

微笑みながら

見ている...

Flower

まるで甘い

Flower

キミへと向かう

気持ちつたい

歩きはじめる...

春から
初夏へと

変わりゆく
五月の空

を

ミントグリーンの風

駆け抜ける...