2018年8月30日木曜日

たわむれ...


時という
船に

のる魚...

砕け散るよな
岩肌ゴツゴツ

時には

しなだれる若芽に
尾をとられる...

ひたひた流れる

平等なるとき...

魚のボクは
餌を探して

船を出す...

まぁボクが
魚である限り

船はいらないんだけど...

ボクが船に
乗るときは

漁師の腕に
屈する時...

波しぶきかかる
防波堤に

一羽の鴎が
物思う...

時という
船の旅人は

ボクという
魚と...






2018年8月29日水曜日

夢追う理由


傷を負うため


追うわけじゃない

身の丈合わない
夢に焦がれ

皮肉な現実に
ぶち当たっても


負うための

夢ではない...

夢の翼
広げる

小さな希望
沸き起こる

不安の波も...

傷つき
倒れた

その場所には

夢の余韻

残ってゆく...

線路沿いに
咲いて

風受ける

なもない花のように...

いつか

架線の工事始まり

ブルドーザーに
浚われてゆく前に

せめて

安全な場所へ
移したい...

叶わぬならば

その種蒔いて

未来に咲かせたい...

夢は

傷負うため

みるのではない...





無題...


今日というひに
光さしたら

心がふわり
目覚めてゆく

明日の夕刻
雨音包めば

こころはそっと
ゆだねてく...

なけない蝉が
空をみる

泣かないキミが
うなだれる

何故だろか

赤蜻蛉が
列をなしてる...

昼の真ん中

やわらかく包む
ヒノヒカリ

変わらないものなど
どこにもない


訳知り顔の
キミの背中

あの日よりも
細くなった...

変わらないものなど
なにひとつありはしない


語る背中は

それでも

一目で
キミだとわかる...

遠く
時を経たいまも

変わりゆく街並み

かわるがわる
移り住む人々

空ゆく
飛行機の航路さえ

かわってゆく...


降ってきたよ

近くのひとの
声がして

慌てて
洗濯物取り込んだら

日が照り始めた

滑稽な話...

変わらないもの
あるとしたら

走る意味



滲むように

曖昧...







キャンディボール


許される時の

揺るぎない語らい...

穏やかな
日差しやぶり

降り出す雨

滴る雫が
光を帯びて

ひたひた

おつる...

失いながら

なくしながら

命見つける旅を

誰のためでもなく...

その命は

呼吸する...

少し疲れたね

キミが
吐息を漏らす

空から落ちてくる
キャンディボール

美しくて
泣けてくる...

あぁ
そうだね

大分疲れたね...

やわらかく
キミの吐息

感じてる...






2018年8月28日火曜日

コンビ二の怪...


とある
田舎のコンビニ

平和を
絵に描いたような

平凡な
町にたつお店...

しかし
このところ

少し奇怪なことが
続いていた

深夜のコンビニに
突然鳴り出す

電話...

ひとり
作業していたスタッフは

事務所へと走る

待たせることなく
受話器をとった...

お待たせいたしました
お電話ありがとうございます
佐藤が承ります

深夜に不似合いな
元気過ぎる声で
電話にでた...

もしもし

おうかがいしたいのですが

そちらのお店に
コンタクトレンズの洗浄液は
ありますか?

佐藤と名乗ったスタッフは
昨日
雑貨として入荷済みと
かくにんしていたので

はい
取り扱っております

すぐに答えた...

電話の主は

わかりました
ありがとうございます

愛想よく
お礼を告げ

電話を切った...

スタッフの佐藤は
そそくさと事務所をでて

すぐに確認しようと
売り場へと急ぐ...

コンタクト洗浄液のある場所を
見つけた

洗浄液のあるはずの場所を...

そこには
洗浄液はなかった

単品カードはあったが
昨日仕入れた洗浄液は
ひとつもなかった...

おかしいな

ひとつならわかるけど
たしか昨日
ふたつ入ってきた筈なのに...

通常ならば
そんなにすぐに
売れることはないんだけど...

首をかしげる佐藤

もしも
さっきのひとが買いに来たら
どうしよう...

記憶に頼らず
すぐに確認すべきだったか...

同じチェーンのお店に
仕入れにいきたくても
いまはひとりだし...

はぁ

いつもより憂鬱な深夜を
佐藤は送るはめになった...

しかし
何事もなく
時間は過ぎ...

朝のコンビニには
少しずつひとが
入り始めていた...

佐藤は
勤務を終え

事務所で
朝食をとっていた

冷やし中華を食べ
デザートにてをかけたとき

トゥルーゥルー

電話がなった...

朝はコンビニは
ふたり体制である

スタッフのひとりが
電話をとった

はい
もしもし

おおざっぱに受け答える...

はい
今確認してきます
お待ちください

受話器を
保留にするのも忘れ
佐藤に

佐藤さん
昨日
コンタクトの洗浄液売りましたか?

佐藤は
問合せが
昨夜の人だと確信した

品物があるかの
問合せは受けたよ

スタッフは
  
その洗浄液が
不良品だったって

とりかえてほしいそうだよ

佐藤は
なにがなんだかわからない

とりかえるもなにも
ひとつも買いにも
来なかったのだから...

まあ
買いに来たら
品物はなかったわけだから

とても困ったことに
なったであろうが...

佐藤はスタッフに
受話器が保留になってないこと
注意して

かわるよ


電話にでた...

もしもし
お電話かわりました
佐藤ともうします

電話のむこうの声は
予想に反して
昨夜の女のひとではなかった...

すぐに
違うとわかるダミ声が

昨日お昼に
コンタクト洗浄液買ったんだけど

蓋を開けてあるように見えるから...

気持ち悪いから
取り換えてほしいんだけど

佐藤は
すぐにお詫びし

ただいまその商品は
品切れ中でして...

少し不機嫌に

お待ちいただく訳にはいかないでしょうか...

ダミ声の男は

いつ入るのか

とたずねる...

佐藤は
仕入れが
すぐにあるかは把握してない

申し訳ありませんが
担当のものから
折り返しお電話差し上げますので
お電話番号をいただけますか...

手際よくメモをとり

失礼します

と受話器をおいた...

佐藤は

まだ帰れそうにないな


デザートを
恨めしげにみた

勤務を終えても
責任はついてまわる

中堅どころにあたる佐藤は
同僚の雑貨担当者に
連絡しなくてはならない

そこに
もうひとりの朝のスタッフが
やってきた

いま
御客さまが

コンタクトの洗浄液ほしい

とおみえになってて...

確認したところ
品切れしてるみたいだから
そうお伝えしたら

昨日佐藤というひとが
あるっていってた


すこし怒ってます...

佐藤は

洗浄液に呪われてるのか?

大きく溜め息ついた...

なんで
いつもはめったに売れない洗浄液が
こんなに必要とされるんだ?

仕入れの怖さを
難しさを
痛感した...










光宿るところ

思い通りに ならないことに ありがとうを言おう 思い通りに なることなど この世に 数えるほどしかない... 思い通りに ならないことに ありがとうを言おう 感じる 育てる やり遂げる 無限に 永遠に... 思い通りに なら...