2018年11月30日金曜日

ツリーらぶ

大きな木がありました

そびえるように

大きく
太く
たくましい...

その存在感たるや

ひとたび

風に吹かれても
嵐がやってきても
雷鳴とどろいても

びくともせず

そこにしっかりと...

近所に住む人々は

お父さんの木

そう呼んで
温かい目で
見守っていたのです

何年
何十年

あるひを境に
おとうさんのきは

元気を
少しづつ
なくしてゆきます

瑞々しく
目にも爽やかだった
緑の葉っぱは

冬でもないのに
萎れて
しなびて

おかしい...

村人は
首をかしげて
心配していました

お父さんのきは
森の妖精に
恋をしていたのです

いつしか
恋心は

お父さんの木の健康にも
支障が出るほどに...

妖精は
そんな彼の気持ち
気づくはずもなく

じゆうなる羽で
木々を飛び回る

ひらり...

誰一人
お父さんのきのこころ
わからない

例外をのぞいては...

例外
それは

木に住み着いていた
キツツキ

キツツキは
唯一

お父さんのきと
話ができる...

そして
お父さんのきの
純粋な妖精への恋心

その胸の内を
きいた...

キツツキは
どうしたかって?

妖精の住み着いた木を
すごい勢いでつついて

妖精が
たまらず
別のきに移れば
そこもつついて...

地道に
じみちに

毎日
毎日

いつしか
だんだんと

お父さんのきに
近づいていたけれど

お父さんの木の
妖精へのきもちは
薄らいで

その気持ちは
キツツキのほうへ...

そして
いま

大きく
たくましい木に

かわいらしい
キツツキの親子...

お父さんは
キツツキのやさしさに
気づいた

いまも
仲良く
お父さんの木を
キツツキは

優しく
優しく

お父さんの木

つついてます...






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