はっきりと
ボクはそう伝えた
女は訝しげに
こちらをみながら
おかしいわ
おかしい
などと
なにやらブツブツ
ボクはすこし
気味が悪くなって
女を置いて
その場から
去ることにした
女の視線を
痛いほど
感じながら
そうして
だいぶ歩いて
恐る恐る
後ろを振り返る
女はいなかった
ボクはほっと
胸をなでおろし
すこし気持ちが楽になっていた
しかし
災難は忘れた頃に
やってくる
それからひと月
たち
ボクは
また
見ず知らずの人に
声をかけられた
ボクは
人違いであることを
しっかりと伝える
その人は
そんなはずはない
キミはだって
まだ何か言いたげな
表情で
追いかけるように
後ろを付いてくる
忘れたのか?
無視してるのか?
ブツブツ
独り言のように
呟いて
ボクはひと月ほど
前のことを
否応なしに
思いだしていた
このひと月あまりのうち
2度もこんな風に
人間違いされて
偶然だと片付けて
いいのだろうか
薄気味悪いきもちは
ボクの中で
ちょっとした
好奇心へと
変わっていた
すこし話を聞いてみても
いいかな
なんとなく
変だけど
気持ちに余裕が生まれつつある
ボクは声をかけてきた
その人を振り返る
しかし
もうその人は
そこにはいなかった
ボクは肩透かしを
くらったように
呆然として
な
なんなんだ
一人で
ごちた
ボクは
ひと月前の
女のことを
思い出していた
思えば
とても美しい
女性だった
そんなひとから
人違いされたことは
もしかしたら
幸運だったのか
人違い
そこから始まる
恋のシナリオ
なんてね
つゞく
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君の心は
何処にあるの
掴もう
掴もう
君の心
見失わないで
君の心
SECRET: 0
返信削除PASS:
��は るさん
物語は生まれ
毎日
登場人物を
少しずつ変えながら
賑やかに見える
日常
やわらかな
想いを
言の葉に乗せて
けっして
ぶれない
こころは
あるんだ
それは