かなしみ背負う
よっこいせ
一匹の亀が
ひとり
嘆きの中にいた...
亀は
ボクの甲羅は強そうだ
と、みんな
羨ましがるけれど
なんてことはない
蓋あけてみれば
かなしみでいっぱいさ...
ぽそっと
愚痴をこぼし
おまけに涙
を一粒
流した...
そこに
小さな天道虫
飛んできた
てんとう虫は
背中に7つの点
もっていた
亀の嘆き
聞いていたてんとう虫は
こう言った
キミだけではないよ
ボクの背中の点7つ
これも
かなしみでできてるんだ
キミもボクも
同じさ
亀は
すこし
気持ちが楽になって
でも
かなしみは
どうして必要なんだ
どうして
かなしみが心
占拠するんだ
そんな風に呟く...
そこに
でんでんむし
現れて
よっこいしょ
よっこいしょ
なにやら背中に
背負っている
聞けば
かなしみに
押しつぶされそうになっている
という
そこで亀は
でんでんむしのかなしみ
すこし
軽くしてあげたくなって
ボクの背中に
すこしお乗せよ
そうでんでんむし
に提案した
でんでんむしは
いいえ
このかなしみは
わたしがたえるべきもの
だって
あなただって
立派な甲羅に
かなしみ沢山
持っている...
でんでんむしは
歯をくいしばって
かなしみ
にたえている...
亀は
かなしみは
誰しもが
共にあゆむもの
生きていくことは
楽しいことばかりではない
かなしみに泣き濡れる
ときもあるけれど...
亀は
でんでんむしのかなしみ
軽くしてあげたい
と
ほんとうに思った...
自分のかなしみ
背負いきれぬほどなのに...
それが
尊き優しさ
かなしみ
癒してゆく
優しさにであう
ということ...
