2019年4月3日水曜日

月の紅い夜3


なにもかもが
見えない 

いや
言い換えたなら
なにも無いのだ

まさかと思う

まさか
そんなはずは...

一度
出かかる答えを
それでも打ち消そうと

だけど
ほんとに
完全に
なにもない

無の世界

無...

そういえば
歩き出して
時間経っても
空腹を感じない

ボクは
精神を保つのに
必死 

美味しいものを食べる

それは
少なからず
命あるものを
しあわせにする

高価なものは
食べれなくても
栄養のバランス
考えながら
ボクは
食事に感謝してた

感謝してたんだ

無の世界 

食欲も 
物欲も 
性欲もない

このみを
憐れむだけなのか

無 
  
本来ならば
人間は
なにももたない?

自分のものなど
ひとつもない...

そこまで
想いが及んだ時に  
また、声がした   
 
今度は
確かに響き渡る

それは優しさ

それは厳しさ

それは同意

それは...

声は伝えた
 
あなたは
ひとりの暮らしのなか
ずっと自分を
蔑んでました 

ひとりのなか
ずっと自分を
哀れむ眼差しで...

もう
どうしようもない
劣等感の塊

手をつけられない...

そんな
あなたを
想う女性が現れても 
あなたは
変わろうとしない

わたしは
あなたが
その昔
助けてくれた命  

覚えてますか?

傷ついた羽
癒えるの待って
自由に放ってくれた

籠でかうのではなく
わたしを放ってくれた

自分はさびしくなるのに

そして
あなたがまた...  

命は
いつかは尽きるもの

そして命は
巡るもの

あなたが
助けた命は    
あなたが放ったその後
沢山の命
生みました

わたしはもう
あなたの世界には居ない

でも
あなたの助けた命は
受け継がれてる...

あなたの
優しさまねて
伝えたかった

その事を...




次章


泣かないで

ほら

そこには

やわらかな季節

が、そっと...

進むべき道

進みたいみち

描いた夢

いまここにある現実

わかり始めた...

桜の木

も満開越えて

木の芽吹き出し

次のいのち

約束する...




月の紅い夜2


ボクは
いま迄も

ひとりで暮らし 
ひとりで朝食とり
ひとりで新聞よみ
ひとりで電車に乗り込む

ひとりで
そんなことにも
慣れていた       

だが
ランチの時は
ひとりではなかった

ボクは
ある女性と
平日のランチの時間
過ごしていた

その女性に
恋心?

わからない

だけど
物心ついた時から
ひとりで生きてきた
ボクには
大切なひとである
ということは 
確かだった...

ボクは
雨に打たれていた  

ボクは
ひとり濡れていた 

ボクは...

途方に暮れるとは
こういうことなのだ

改めて
感じていた 

出口のない
迷路よりも
怖いではないか

知らない場所

知らない場所?

いったいここは
何処なんだ?

今更の問いに
声が聞こえた

聞こえた?

気がした...  

そんなわけ
ないのに

そんなわけ
ないのに...

ひとり

なのに...?

歩こう...

小一時間
立ち尽くして  
漸くそこに
考えが及んだ

トボトボ
歩き出す 

オズオズ
怯えた目
精一杯見開いて

暗い
夜の闇を
ひとりゆく...




光宿るところ

思い通りに ならないことに ありがとうを言おう 思い通りに なることなど この世に 数えるほどしかない... 思い通りに ならないことに ありがとうを言おう 感じる 育てる やり遂げる 無限に 永遠に... 思い通りに なら...