2019年4月4日木曜日

月の紅い夜・最終章


帰宅してから
とても
とても
空腹なことに気がついた

ボクは
悩み悩んで
ランチの女性に電話... 

ボクからしたのは
はじめてのことだ

プル~
プルル~

程なくして
電話に彼女が出る   

ボクは
急に込み上げて  
あろうことか
泣き出してしまう  

嗚咽...

涙と鼻水で
グチャグチャな顔を
痛む手で拭う

やっとの思いで
出た言葉

お腹空いてる   
ペコペコだ...

彼女は
少し考えて 

ランチでなくてもいいの?   
ご一緒しても?

いつもの店で待ってます

そういいながら
ボクは
もう
家を飛び出していた...

ボクは
彼女より先に          
行きつけのお店についていた 

思えば
いつも彼女は
ボクのこと
この店のカウンターの隅で
待っていた

ボクは
いつも彼女が座り
本を読んでいた場所に
腰かける

何から話そうか  

考えてから
ふと笑ってしまう

何から?
  
なにも話せない

考えあぐねてると
彼女が現れた

彼女ははじめて 
いつもひっつめてる髪の毛
下ろしていた

眼鏡も
コンタクトにしていた

いつもと感じが違う...

ボクは

キミ
綺麗だったんだね

彼女は
面食らった表情で

ありがとう

あなたは
めが腫れて
涙のあと?

今迄...

今までで
一番格好悪い

でも
でも...

わたしは
あなたが
あなたが...

ポロリ

伝う涙が
言おうとしてる

ごめん
ボクは 

待たせたね...

そして
キミは
また
髪の毛束ねて
眼鏡の日常

待ってる     
 
キミが
駆けてくるのを

見つめてる 

待ってる

雨の
降り頻るなか
傘を差して
待ってる   
  
夕暮れの
セツナイ時間を
キミ色に
染め上げて  

待ってる      

待ってる     

勇気をくれた
キミ

キミだけを...




月の紅い夜4


今夜は
月の紅い夜

あなたのなかだけに
仕舞っておいて

よく聴いて  

なんとか心
保ちつつ...
 
月の
見えなくなるのを待って 
東から
太陽が昇るとき
暁電車がやって来る

あなたを乗せに
やって来る

だからとりあえず
今夜は
眠って仕舞いなさい

今夜はここで
眠りなさい...

ラッシュアワー

人波に飲まれ     
ボクは
電車のなかにいた

夢だったのだろうか?

それにしても
リアルな夢だ

現実?に戻る

夢でも
現実(ここ)でも
ひとりか...

皮肉に笑う

髪の毛をかきあげる

そのとき❗

ゆ、夢ではないんだ

と気づいた  

手のひらに
怪我をしていた

ボクは
怪我した覚えはなかった   
あのとき以外は...

そう 
満員電車が大きく揺れて
身体を支えきれずに
倒れた 

そのとき
手をついたのだ...




2019年4月3日水曜日

月の紅い夜3


なにもかもが
見えない 

いや
言い換えたなら
なにも無いのだ

まさかと思う

まさか
そんなはずは...

一度
出かかる答えを
それでも打ち消そうと

だけど
ほんとに
完全に
なにもない

無の世界

無...

そういえば
歩き出して
時間経っても
空腹を感じない

ボクは
精神を保つのに
必死 

美味しいものを食べる

それは
少なからず
命あるものを
しあわせにする

高価なものは
食べれなくても
栄養のバランス
考えながら
ボクは
食事に感謝してた

感謝してたんだ

無の世界 

食欲も 
物欲も 
性欲もない

このみを
憐れむだけなのか

無 
  
本来ならば
人間は
なにももたない?

自分のものなど
ひとつもない...

そこまで
想いが及んだ時に  
また、声がした   
 
今度は
確かに響き渡る

それは優しさ

それは厳しさ

それは同意

それは...

声は伝えた
 
あなたは
ひとりの暮らしのなか
ずっと自分を
蔑んでました 

ひとりのなか
ずっと自分を
哀れむ眼差しで...

もう
どうしようもない
劣等感の塊

手をつけられない...

そんな
あなたを
想う女性が現れても 
あなたは
変わろうとしない

わたしは
あなたが
その昔
助けてくれた命  

覚えてますか?

傷ついた羽
癒えるの待って
自由に放ってくれた

籠でかうのではなく
わたしを放ってくれた

自分はさびしくなるのに

そして
あなたがまた...  

命は
いつかは尽きるもの

そして命は
巡るもの

あなたが
助けた命は    
あなたが放ったその後
沢山の命
生みました

わたしはもう
あなたの世界には居ない

でも
あなたの助けた命は
受け継がれてる...

あなたの
優しさまねて
伝えたかった

その事を...




光宿るところ

思い通りに ならないことに ありがとうを言おう 思い通りに なることなど この世に 数えるほどしかない... 思い通りに ならないことに ありがとうを言おう 感じる 育てる やり遂げる 無限に 永遠に... 思い通りに なら...