2019年5月10日金曜日

大地を生きる・前編


夏のはじまり
気温の上がる中
ボクは君を
見つけた。
クーラーが寒い、と   
酷く嫌がる。
自然の気温のままに
暑いときには
そよ風で涼を。
寒いときには
毛布にくるまろう。
君は自然の中
生きていたね。。。

君はすぐにボクに
なついて
人懐こく
ボクを追いかけまわす。
ボクは悪い気はしない。
モテる男装い
ほんとはまるで
てんでモテやしない。
それは周知の事実。
でも
夏のはじまり
出会った君は
例外中の例外だった。
ボクを慕う眼差しに
少なからず
ドキドキ
しながら・・
だけど
名前も
年も
全てがミステリアス。
その子は
喋れなかったんだ。
驚くことに字も書けない。
コミュニケーションは
目と目。
ボクを
追いかける。
ボクは逃げるふりして
そっと抱きしめる。
ボクを必要としてくれる
存在を・・

君と出会い
瞬く間に日々は過ぎゆく・・
君は何故だろうか。
汚れを知らぬ
子供のようで
君との関係は
なにもなかった。
でも
二人の間には
誰にも邪魔の出来ぬ
空気が漂う。
言葉は話せず
字も書けない。
悲しい事実。
だけど
受け入れ
君をそれでも尚且つ
必要とするんだ。
ボクは。
君がボクを必要なように・・

夏が過ぎて 
木枯らし吹いて   
寒がりな君には
酷な季節の到来。 
ボクは
君にひとつのプレゼント
渡す。
青いマフラー。
少しだけ青みがかる
君の瞳と
重なる
青。
うん
似合う。
君はニッコリ
笑ってみせた。

君は生まれつき
口がきけないの?
文字は
習わなかった?
なにも話せない。
なにも書けない。
だから
こんなにも
続くのかも知れない。
そんな
因果・・

冬を
凍えながら
毛布にくるまり
過ごす
二人。
君は珈琲よりも
ホットミルク
好むの。
いつでも君の
そばには
ホットミルク。
君はフーフー言いながら
美味しそうに
コクコク
のんでる。
ボクは珈琲を片手に
君がミルクをこぼさないか
気が気でない。
君は猫舌。
いまにもミルクひっくり返しそうで・・
冬は
はじまり告げたばかり。
二人並んで
毛布にくるまり
時に珈琲
ホットミルク。
そんな
普通でない二人。

どうにもこうにも
変わりのいない
君の存在。
二度と会えぬであろう。
恋よりも
濃いなにか。

はじめから感じた。
ボクは大地に
この大地に生きる。
それが当たり前と
勘違いしてたよ。
大地に生きるとは
なんたる
しあわせな
こと。
それは
他ならぬ
君が教えてくれた。
君が。




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